スポーツ栄養
運動と栄養成分⑥
2012.03.22
疲労の種類と栄養
思い切り体を動かした後や、緊張を強いられた後に感じる疲労感。
疲れを感じることが無ければ、心身ともに楽で、いつも・いつまでも全力を出せるのに、と考えがちです。
けれども疲労は、「これ以上無理をすると、心や体の健康を損ないますよ」という、自分自身からのサインです。
もし、このサインが無ければ、健康を損ね、命を危険にさらすまで無理を重ねてしまいます。
とても大切なサインです。他の人と比べる必要はありません。きちんと耳を傾ける必要があります。
大まかは、疲労には「末梢性疲労」と「中枢性疲労」の二種類に分けられます。
「末梢性疲労」は、脳からの命令に従って働く筋肉に起こる「肉体的疲労」です。
この疲れがたまると、力の強さ・速さ・持久力などの発揮できる身体能力や運動量が低下します。
「中枢性疲労」は、全身に信号をおくり命令を伝える脳・神経に生じる疲労「精神的疲労」です。
いわゆるストレスも、神経に興奮・緊張を強いることによる精神的疲労です。
この疲れがたまると、集中力や判断力が低下し、瞬発力や持久力などが十分に発揮出来なくなります。
このように疲労種類によってその現れ方が異なると共に、解消方法も異なります。
末梢性疲労の回復は、栄養補給と血行促進がポイントです。
・筋肉の中に蓄積され、運動で消費・枯渇した糖エネルギーを補充
・筋肉の中に生じた老廃物を取り除く
・筋肉や血液で偏りが生じたイオンバランスをもとに戻す
・筋肉細胞の補修と回復に必要な栄養素(タンパク質やビタミン)を取り込む
はすべて血液の循環によっておこなわれます。
このため、
・運動後や同じ姿勢の作業が続いた後に、軽い運動で筋肉をほぐす(ストレッチ)
・ぬるめのお湯にゆっくり入浴したり、熱い湯と冷たい湯のシャワーを交互にかける
・マッサージを施す
などによる血行促進が有効です。
中枢性疲労の回復は、休養と栄養補給がポイントです。
・休養(睡眠や休息)によって脳・神経の興奮を鎮める
・ご飯や芋、果物や甘い物など糖質の食品を摂り、(通常)脳の唯一の栄養源となる糖エネルギーを補充する
ことで回復します。
また、長時間にわたり集中を強いられる(単調な作業の継続など)場合、姿勢を変える、ストレッチをするなど、異なる動作刺激を与えることも、「気分転換」として能力の発揮や作業効の効率低下の予防に役立ちます。
ドリンク剤やコーヒーに含まれるカフェインの摂取によって、神経の軽い興奮をはかることも同様の効果があります。
しかし、これらによって得られるのはリフレッシュ感という「感じ方」であって、実際の疲労回復とは異なりますので注意が必要です。
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