健康のレシピ
行事食 No.7 バレンタイン・デー
2012.01.18
〜 チョコレート 〜
バレンタインデーの行事は世界各地で行われていますが、お国柄が反映され、内容はまちまちです。
日本国内では、現在「親しい人に、特に女性からチョコレートを贈る日」の解釈がなされ、本来の起源の意味合いは失われています。
1930〜60年代に、菓子メーカーやデパートの商業的PRにより普及しました。
『節分の恵方巻』よりも歴史の古い行事食(?)です。
チョコレートの原料はカカオの実の種(カカオ豆)です。カカオは南米やアフリカをはじめとする赤道直下の高温多湿帯で栽培されている熱帯植物であり、日本では石垣島など限られた地域で試験的に栽培される以外は全て輸入に頼っています。
カカオの実の収穫後、種は発酵・乾燥されます。
これを焙煎し、すりつぶし、ドロドロになったもの(カカオマス)に香辛料や砂糖や水・乳などを加えた飲み物がカカオ豆の利用の始まりです。
やがてヨーロッパに渡り珍重され、貴重品の砂糖を加えて飲むことが上流社会でもてはやされました。
固形のチョコレートが発明されてから、チョコレートの歴史は華やかな発展を遂げます。
栄養面では糖質・脂質・たんぱく質ともに豊富でエネルギー量が高く、携帯用の非常食にも推奨されます。食物繊維やポリフェノール類も豊富です。
また、リラックス作用がある成分とされるギャバやその香り成分が現代のストレス社会で注目されています。
もともとチョコレートには脂肪分(カカオバター)が豊富ですが、日本国内ではその何%かを植物性油脂と置き換えた製品が多いです。
国際食品規格は、政府間機関であるコーデックス委員会により作成されています。日本も1966年に加盟しています。
ここではチョコレートへの植物油脂配合は5%までと定められています(植物油脂の添加を禁止する国も有り)。
しかし日本では現在、この基準よりも高い配合の場合もチョコレートとして表記をしています。
・日本人好みのさらりとした口どけ感や口当たりの軽さの重視
・チョコレートの成形加工のし易さの追求
・夏季の高温多湿で溶け、品質や風味が落ちることを防ぐ
といった必要性が背景にあるようです。
この時期に特設売り場などで見かける、繊細な宝石のようなチョコレートの数々。
一口つまめばすぐ溶け無くなるはかなさですが、長い時と技術を傾けて作られてきた結晶だからこそ、気持ちをのせる贈り物に選ばれたのではないでしょうか?
手作りも良いですね。
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