クスリと生活習慣


 漢方薬は現在頻繁に使われていますが、「効くのかどうかよく分からないけれど、体に良いみたい。」という認識が多いようです。日本で最も多く使わ れている漢方薬の形はエキス顆粒というタイプです。他には煎じた液を服用するもの、錠剤やカプセルにした物、丸剤という小さい黒い球形の物もあります。
 便秘用に大黄甘草湯エキス顆粒を処方されたHさん(女性、50代)から質問がありました。「いつもOTCの大黄甘草丸を25丸飲んでいますが、この粉薬 何包分に当たりますか?」との質問がありました。丸剤は「40丸中に大黄末10g甘草末5gの割合で混合した粉末2.941g含有」しており、一方、エキ ス顆粒は「顆粒7.5g中に大黄4g甘草2gを水煎したものを含有」しています。比較しようとしても頭が混乱するばかりです。冷静に計算すると原料の量で は25丸はエキス0.9包に相当することがわかりました。
 しかし、丸剤は原料を粉末状にした物から作られており、エキス顆粒は原料を水煎した物から作られています。全く同じ原料から作られても製剤法が異なれば成分含有量も体内での作用の仕方も異なります。原料の重量のみで比較することはできません。
 個人差はありますが、大黄主体の便秘薬では丸剤中の成分量の2倍程度の成分量のエキス顆粒を服用すると同等の効果が得られるようです。
(SI-T)