ミキ薬局ホーム > ちょっと立ち寄り情報 > 禁煙指導 > 第27回 サポート例とワンポイントアドバイス(7)

禁煙指導


今回は、ニコチンパッチでかぶれてしまった為、ニコチンガムに切り替えて、禁煙に取り組んでいる方のサポート例を紹介します。

60代男性 Aさん
TDS(ニコチン依存症のスクリーニングテスト):3点
ブリンクマリン係数(1日の喫煙本数×喫煙年数):1410
高血圧・糖尿病予備軍・動脈塞栓症(疑)あり

【禁煙開始】

 ☆ 最近血圧が高くなり、足の血管が詰まっていると医師から指摘され、禁煙を決意。
Aさん
:1日20〜30本煙草を吸っているが、忙しい時や吸えない状況の時は煙草を吸わなくても平気なので、禁煙できると思うんだよね。 
 ☆ 禁煙外来を紹介したが、受診する手間がある為、市販の禁煙補助剤(貼り薬)で禁煙に挑戦。
薬剤師:煙草は血圧を上げたり、血管の詰まりを進行させますから、医師からの指摘は禁煙への良いきっかけとなりましたね。パッチは1日1回貼り、8週間で禁煙達成を目指します。私たち薬剤師と一緒に頑張りましょう。

禁煙を始めると、禁断症状(煙草が吸いたい・イライラ、落ち着かない・不安・頭痛など)が現れます。これは体の中からニコチンが抜け出す為に起こるもので、最もつらいのは禁煙後3日以内です。その後、禁断症状による苦しさは日に日に和らぎ、おおむね1週間、長くても2〜3週間で消失していきます。禁煙への挑戦の第一の関門は、この禁断症状に打ちかつ事です。


【禁煙3週目】

Aさん:左腕が少しかぶれたが、それ程ひどくないので大丈夫。最初の数日は煙草を吸ってしまったが、その後なんとか禁煙している。でも、やっぱり煙草を吸いたくなるので、ついつい甘いものを食べてしまう。
薬剤師:貼り薬を使用する事により、かゆみや発疹などの皮膚症状や頭痛や不眠などの症状が現れる事があります。今回はかぶれもひどくないようなので、このまま継続しましょう。貼付部位は毎回変える事。煙草の代わりに甘いものを摂取すると、体重が増え、血糖値にも悪影響を及ぼします。低カロリーのお菓子やシュガーレスガムや飴、干し昆布を摂取するようにしましょう。

★禁断症状を上手に乗り切る為に、自分なりの対処法を考える事が大切です。

 
【禁煙5週目】
Aさん:かぶれがひどくなり、貼り薬を中止。煙草を吸ってしまった。
薬剤師:ニコチンパッチの代わりに、ニコチンガムを紹介。煙草を吸いたいと思った時に我慢せずガムを噛んで下さい。ポイントはゆっくり噛む事です。

あきらめないで!
ニコチンパッチが合わなくても、ニコチンガムがあります。自分に合った禁煙補助剤を探し、禁煙を継続しましょう。

【禁煙8週目】
Aさん:ニコチンガムは1日2〜5個くらい噛んでいる。禁煙しているが、やっぱり煙草を吸いたい。普通のガムある?
薬剤師:煙草の変わりに別の行動を実行し、煙草を吸いたい気持ちをコントロールすることは大切です。飴やガム(シュガーレス)、干し昆布や禁煙パイポを紹介。試してみる事になった。糖尿病予備軍ですので、体重の増加にも気を付けましょう。

★肥満を予防する
禁煙すると体重が増える場合があります。通常、2〜3㌔の増加ならあまり心配ありませんが、食事には気を付けましょう。
 ①食事は腹八分目に
 ②脂っこい食事は避け、薄味で、あっさりした食事に
 ③口寂しさを上手にしのぐ(シュガーレスガムや飴、干し昆布)
 ④無理なく出来る散歩や運動をする       

【禁煙9週目】
Aさん:ニコチンガムは1日2〜3個くらい。順調に禁煙できている。咳や痰もなくなり、声が出やすくなり、よく眠れるようになった。
薬剤師:そろそろ禁煙プログラムも終了に近づいてきました。ニコチンガムの数を徐々に減らし、0〜1個の日が何日も続いたら、思い切ってやめてみましょう。禁煙すると体にとってさまざまな良い変化が起こります。こうした禁煙の効果や重要性を実感し、禁煙を継続しましょう。

★今回のワンポイントアドバイス★
―あなたに合った禁煙の方法は?―
禁煙を始める前に、まず、自分がどのような方法で禁煙するかを決めましょう。禁煙の方法は、①禁煙治療薬を使わず自力で禁煙する ②ニコチンガムを使って禁煙する ③ニコチンパッチを使って禁煙する ④ニコチンを含まない飲み薬(チャンピックス)で禁煙する の4つに分けられます。

①自力:薬を使わず自力で禁煙する
喫煙本数が少なく、ニコチン依存度の低い人や自分で禁煙できる自信のある人にお薦め!
◆利点 ・費用がかからない。

②噛む:ニコチンガム
煙草を吸いたい時に我慢せず噛み、徐々に減らしていく。標準的な使用期間は8〜12週間。
◆利点 
  
・医療機関を受診しなくても、一般の薬局で購入できる。
  ・吸いたい時に使う為、すぐに喫煙の欲求を抑える事ができる。
  ・ニコチン摂取量や噛む量を自己調節できる。
  ・口寂しさをまぎらす事ができる。

③貼る:ニコチンパッチ
1日1回、上腕や腹部や背中などに貼ります。標準的な使用期間は8週間。薬局で購入するタイプと、医師に処方してもらうタイプがある。
◆利点 
  ・目立たないので、周囲に気付かれずに禁煙できる。
  ・接客などの職種や歯・あごの問題などでガムを噛めない人でも使用できる。

④飲む:ニコチンを含まない飲み薬(チャンピックス)
1日2回12週間、服用を継続する。医師の処方が必要。
◆利点 
  ・一定の条件を満たすと、保健が適用される。
  ・飲むだけなので簡便。
  ・ニコチンを含まない。
  ・肌の弱い人やガムを噛めない人でも使用できる。

 自分に合った方法をさがしながら、気軽に禁煙にチャレンジしましょう!

 

ミキ薬局では、禁煙開始から達成まで薬剤師がサポートさせて頂きます。不安や疑問など、どんな事でもお気軽にご相談下さい。下記店舗で禁煙相談を行っております。

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次回は 4/6 第28回 メタボとタバコです。