ミキ薬局ホーム > ちょっと立ち寄り情報 > 禁煙指導 > 第45回 日本の喫煙率の現状~禁煙の時代の流れ~

禁煙指導




今回は日本の喫煙率の現状をご紹介します。



分煙、タバコ税値上げなど禁煙の流れが強くなっていますが実際の喫煙率はどうなっているのでしょうか。



 たばこ産業の「平成21年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の平均喫煙率はこの18年間で減少し続けており、平成21年は38.9%でした。年代別にみると、急激な喫煙率の減少傾向が見られる60歳以上は27.8%で、ピーク時(昭和41年)より50ポイント以上も減少しました。また、喫煙率が一番高い年代は30歳代で46.9%でした。 (図1)



  一方成人女性の平均喫煙率は11.9%、ピーク時(昭和41年)より漸減しているものの、ほぼ横ばいといった状況です。平成21年の喫煙率が一番高いのは30歳代の16.8%で、若い年代で高いという特徴が見られます。 (図1)  



(図1)性別・年代別喫煙率の推移



 





また、日本だけでなく世界規模でみた場合の成人喫煙率はどうなっているのでしょうか。 2002年のWHOによる調査によると、成人喫煙率は、先進国では男女の差が小さく、途上国では男性が高く女性が低いため男女差が大きいという違いがあるようです。日本は先進国の中では男性の喫煙率が高いようです。(図2)



 




(図2)出典:WHO“Tobacco Atlas”2002



 



 



 



他の先進国数国を例に比較してみると、確かに日本人の男性の喫煙率は高いようです。(図3)



国名          男性喫煙率           女性喫煙率 



日本         52.8%           13.4%



フランス         38.6%             30.3%



ドイツ           39.0%             31.0%



イタリア          32.4%             17.3%



イギリス         27.0%             26.0%



アメリカ          25.7%              21.5% 



(図3) 出典:WHO“Tobacco Atlas”2002



以上をまとめると



・ 日本人の成人喫煙率は減少傾向にあるが、先進国の中ではまだ高い                ・ 男女ともに30歳代の喫煙率が高い



ということが言えそうです。



30歳代は男女ともに働き盛りの年齢ですが、その分ストレスも多いのでしょう。まだ若く、それほど健康に対する意識も高くないのかもしれません。でもこのままでいいのでしょうか?



 喫煙と発癌に関するこんな情報があります。喫煙によって発がんリスクが上がる癌として口腔がん、食道がん(扁平上皮癌)、胃がん、肺がん、喉頭がん、膀胱がん、子宮頸がん(扁平上皮癌)が例としてあげられますが、これらほとんどのがん種で、禁煙してからの期間が長くなるほどリスクが低くなるそうです。



 特に、女性特有のがんである子宮頸がん(扁平上皮癌)では、禁煙後急速にリスクが下がり、その後、たばこを吸ったことがない人のレベルまで下がり続けるそうです。



 また、男性に多い肺がんは、禁煙してもリスクがタバコを吸ったことがない人のレベルまで下がることは難しい一方、禁煙後5~9年でリスクが下がり始め、年齢が若いほど禁煙効果は大きくなり、何歳で禁煙をしてもリスクは下がるそうです。(2007年国際がん研究機関(IARC)による報告より)



 若い人も、タバコを吸っている期間が長くもう禁煙しても同じだと思っていた人も、禁煙はいつ始めても遅いということはありません。「そのうちやめよう」ではなくて、「今からすぐに」、禁煙を始めてみませんか?



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次回は12/21 サポート例とワンポイントアドバイス(17)です。