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旬の食べ物(8) 竹の子

2012.02.16

竹の子

 竹の子は、親竹から水分や栄養の全てを地下茎を介して取り込むため、特に清浄な植物とされ、古くから食用にされています。

 竹林の土の盛り上がっているところから掘り出します。すでに地上に頭がのぞいているものはおいしさのピークを過ぎています。

 中国や日本では、竹の子の維維が固く、アクが強くなる前に掘り起こして食用にします。さまざまな種の竹の子を食用としますが、日本で代表的な孟宗竹の旬はちょうど春先3〜4月です。間もなくです。 

 アクが強くない掘り立て竹の子は、刺身として生でも食べられています。

(青酸配糖体が含まれますが、習慣的な多量の生食はまず有り得ないため、過剰な心配の必要は無いようです)

 栄養面ではカリウム、食物繊維が豊富です。棄てる部分(外皮)の割合が重さの半分を占めます。それだけに、外皮に守られた竹の子の白さや清々しい香りが身上です。

 繊維がまっすぐに伸びているため、切る方向によって歯触りの違いを楽しむことができます。姫皮や穂先、もとの部分など、部位によって食感も大きく異なるため、料理に使用する部位によって食感を演出することができます。

 味わいは淡泊ですが、上品な甘味や清々しさがあり、竹の子ご飯や若竹煮(わかめとの炊き合せ)、土佐煮(薄味で鰹節のうま味を煮含める)などがおすすめです。米ぬかを入れた湯で茹でるのは、湯をアルカリ性にしてアクを除くためです。

 なお、茹であがりの竹の子の中に白いカス状のものがありますが、これはアクが固まったものではありません。竹の子が成長のために体内に蓄えていたアミノ酸が結晶になったものですが、味も舌触りも損ねるため、取り除きます。

 

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