たべ新聞

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健康のレシピ

行事食 No.25 門出を祝う

2012.03.07

紅白の食べ物

 「色」は世界各地の文化や宗教を背景に持ち、さまざまなものを象徴します。

 人は古くから、「色」が象徴するものの力にあやかりたいと願い、生活のさまざまな場面の演出に利用してきました。

 

 日本の文化は東アジアの大陸文化の影響を多大に受けており、共通点が多いようです。

 中国を引き合いにすると、赤や金、黄、朱などの一色でめでたさを表し、特に赤が多用されます。

 日本語の「あか」色の語源は「明ける」「明るい」などに関連します。

 明るさの象徴「太陽」を描くときに、見たままの色ではなく「赤」で彩色するのは日本独特の文化です。

 

 中国で喪の色とされる白・黒・青は日本でも不祝儀の場で用います。

 しかし、日本ではこの白や黒をめでたい色とも考えます。白は「無垢」で何ものにも染まっていない「これから変えてゆくことができる」希望の色。黒は全ての色を内包するパワーのある色です。 

 白無垢や紋付など、ハレの着物に白と黒がありますね。

 

 なお、西欧では黒が喪の色であることは共通ですが、キリスト教圏では赤を罪の色と解釈する場合があるようです。

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 先に挙げた」「の組合せを日本でめでたい色と考えるのは、中国をはじめとする東アジア圏とは大きく異なる点です。

 赤は赤ん坊の色。産声を上げた生命の始まりの時を象徴し、白は無垢の象徴であるとともに、死を象徴する色です。

 この二色が対になることで「誕生から死まで」「寿命を全うする(長寿)」といった意味に転じたものと考えられます。

 余談ですが、字面を「赤白」ではなくとする理由としては、漢字の「赤」が、隠しようのない、何もない、というような意味を含む(例:赤貧・赤裸々)ため、「紅」の字に変えられたとの説があります。

 日本人は、他所から取り入れた文化を、より自分達の文化に適った独自のカタチに転じて活用するのが得意だったようです。

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  誕生・入学・卒業・就職・結婚・新築などの人生の節目や門出、新年を祝う際には、紅白幕・のし袋(紅白水引)などを用いる他、鯛・海老・かまぼこ・なます・赤飯(白米と小豆・ささげ)・餅やまんじゅうなど、紅白の色をした祝いの食物が付きものです。

 祝い菓子に用いる小豆餡も、小豆の皮と中の紅白が美しく、その赤い色が魔を祓う力を持つといいます。

 

    

 

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