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旬の食べ物(55) 苦瓜(ニガウリ ゴーヤー)

2012.05.28

苦瓜(ニガウリ ゴーヤー)

 近年では当たり前に目にする苦瓜。

 沖縄で主に生産されていた苦瓜は、1990年代初頭まで、ウリミバエによる農作物被害の拡散を予防するために沖縄県外への持出しの禁じられた植物でした。

 ウリミバエの根絶達成以後、急速に日本全国に広まった野菜です。

 独特の苦みには好き嫌いがありますが、薄切りにして水にさらしたり、油で炒めることで和らぎ、快いほろ苦さと食感を楽しむことができます。高温多湿で食欲が落ちやすい、日本の夏の食卓に向いている野菜のようです。

 ゴーヤーチャンプルー(苦瓜の炒め物)は豆腐や卵のまろやかさと鰹節の旨味が、その苦味を和らげます。

 また、油で調理することで、苦瓜のカロテンや葉酸、ビタミンEなどの油に溶けるビタミンの吸収が高まります。

 他にもビタミンBやC、カリウム・マグネシウム・リン・鉄といったミネラル分が充実した野菜です。

 

 栽培が容易なため、現在では節電対策のグリーンカーテンにも採用され、苦味の少ない品種の苗もホームセンターで手軽に入手することができます。

 私たちは未熟な青い実を野菜として食べていますが、完熟すると黄〜橙色になります。するとバナナの皮をむくような状態で実が端の方からめくれ上がるように裂け、中の真っ赤な種がはじけ飛びます。

 この種の表面の赤い部分は甘く、鳥や小動物の餌になります。これによって苦瓜のたねはあちこちに散らばり、生育範囲が広がる仕組みです。

 

 

 

 

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