健康のレシピ
旬の食べ物(82) ビール
2012.07.25
ビール
良く冷えたビールと、ゆでたての枝豆。
お酒を嗜む方には、『夏といえば・・・』という合せではないでしょうか。
麦酒とも書くように、ビールは麦が原料です。
特有の苦味や風味はホップの松笠状の緑の花(正確には苞の部分)を加えることで備わります。
果実酒は果実の糖をそのままアルコール発酵に利用できますが、麦は発芽によってでんぷんを分解し、糖を作ります。この糖が酵母と出会い、アルコールが作り出されます。
酵母はもともと自然界の(空気中やホップに付着している)天然酵母が利用されていたため、地域毎に多様な特徴が現れました。アルコール度数も4%程度から15%を超すものまで、様々です。
エジプトで、イースト(酵母)を使って焼いたパンが水に浸ったところ、ビールができたのが発祥とされます。貴重な飲料水(地域により雨水や河川の水など)を腐らせずに保存するため、アルコールを含む飲料であるビールに加工したともいわれます。
ワインの原料であるブドウの栽培よりも麦の栽培が適した地域(フランス以北の欧州等)では、酒の生産はビールが主です。
ビールはエネルギーが豊富でビタミンB群を主とした栄養素も含みます。
このため、昔のこの地域の人達は、ビールを嗜好品としてだけでなく、滋養のある飲食物として重用していました。
病人や幼児の滋養に、また、労働者の疲労回復や軽減にと、スープやパンのような位置付けで利用していたことが当時の記録を見るとわかります(現代日本では考えられませんね!)。
また、産業革命最中のヨーロッパでは、きつい労働に携わる労働者の栄養補給に不可欠でした。労働の最中には水分補給源であり、疲労感を癒し、景気を付けるための飲み物でもありました。
ビールはスープや煮込み料理のベースにも利用されました。
低所得層の労働者の食卓には、パン(または芋)とビール、豆や野菜のスープに、日替わりで少量のチーズや肉が加わるという食事内容が記録に残されています。
日本ではビールは冷やして飲むのが普通ですが、常温で飲む地域は決して珍しくなく、スパイス・フルーツで風味付けをしてホットで飲む例もあります。
酸味の強いものやとろみを感じる程濃厚な口当たりのものもあります。
苦味や炭酸が、脂っこい食品に良く合うビールです。
ホップの苦味には食欲を増進する働きもあります。
けれども低温と脂質の組合せは胃腸の働きには負担です。
『 適量 』を意識し、楽しく美味しく頂きましょう。
【注意】
ビールや、ビールに合う旨味の強いおつまみには、体内で尿酸のもととなるプリン体が多く含まれます。
尿酸値の高めの方は医師や栄養士に相談することをお勧めします。
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