化粧品
【皮膚と栄養】235 スキンケア品の食品成分⑲ 馬油
2022.09.05
こんにちは ミキ薬局管理栄養士 畠山です
スキンケア品の原料は食用と共通するものが多く、数回にわたり幾つかを紹介しています
今回は、前回の油脂に続き、馬油についての紹介です
日本では馬肉を鍋物や刺身、コンビーフの混合材料などの食用にします
馬の脂質は牛脂や豚脂に比べ飽和脂肪酸が少ない組成(飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸=1:3)の ため、融点が30~35℃と比較的低めです
口中の温度でサラリと溶け、口当たりが軽く臭みもありません
(参考:牛脂40~50℃、豚脂33~46℃)
このように体温で容易に融け、皮膚に塗布した際に伸びの良い点が、前回取り上げた 各種植物油に似ています
牛脂は医薬部外品に、豚脂も漢方処方の軟膏にと用いられますが、馬油は肌へのなじみの
良さからもっと広範に、日常のスキンケアに用いられます
化粧品(医薬部外品である薬用化粧品を含む)には、次の用途で添加されます
([ ]は医薬部外品表示名)
●馬油[馬油]:・エモリエント・・・角質を覆い、皮膚の水分の蒸発を防ぐ
・基剤(油性基剤)・・・ヒトの脂肪酸組成に近く
皮膚への浸透性が高くなじみが良い
皮膚保護効果にも優れている
なお、馬油は不飽和脂肪酸が多いため、酸化し易い特徴があります
また、抗酸化ビタミンであるビタミンE(脂溶性)の含有量が少ないため、製品には
ビタミンCやビタミンEが添加されることが多いです
*化粧品配合量や通常使用下では、一般に安全性に問題ない成分と考えられています
(参考:化粧品成分オンライン)
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