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旬の食べ物(108) 落花生

2012.09.04

落花生

 落花生は受粉した花が地面に降りて地中に実るという風変りな性質を持つ豆です。

 アンデス地方が原産で、乾燥・高温などの厳しい自然環境に適応します。

 中国やインドが世界的な大産地ですが、日本国内でも生産されています。

 夏暑く、火山灰地など保水性には恵まれていない地域が、小粒でも甘味や風味に優れた落花生を生産する産地となるようです。

 国産品は粒揃いで甘味や香りも濃く、高級品として贈答品にも使用されています。渋皮もつややかで、一粒一粒に張りがあって見た目にもとても美しいです。

 落花生は8〜9月に収穫されるため、生の落花生は9月頃が旬です。

 塩ゆでやピーナツ味噌が知られています。

 煎ったものや莢(さや)ごと乾燥させたものは、そのままはもちろん、砕いて揚げ物の衣に、すって和え物の衣や菓子の材料にと、幅広く利用することが出来ます。

 栄養面は、乾燥した落花生では重量の半分が脂質、4分の1がタンパク質、2割が炭水化物です。このためエネルギーが非常に高く、約20粒でロールパン1個分に相当します(栄養組成は異なる)。

 この他にもビタミンB群やE、マグネシウムやリン、食物繊維などが豊富です。貯蔵性も高く、油を採ることもできます。

  また、痩せた土壌や厳しい天候の影響にも強く、安定した収量が確保できるという優れ物の作物です。

 このため、飢饉や政情不安など、必要な食糧を確保することのできないない状況にある地域への支援に不可欠な食品です。

 また、後進国・先進国に関わらず、低所得層では肉や魚、卵や乳といった生鮮品の貨幣による入手が難しく、これらの食品から十分なタンパク質を賄うことが難しいのが現状です。

 このため、安価に入手が可能な落花生がタンパク源として重用されています。

 

 その例がピーナツバターです。

 幼児から利用出来、万人に抵抗なく受け入れられる風味です。

 食糧支援を受けている地域では、ピーナツバターをベースとした食品『プランピー・ナッツ』が利用されています。

 

*『プランピー・ナッツ』については、

 たべ新聞 健康のレシピ 『世界の栄養改善支援』

 を、ご参照下さい。

 

注)反面、欧米では落花生による食品アレルギーの深刻さも問題になっています。除去の難しさや、症状の激しさは、生活の質に大きく影響します。 

 

  

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