化粧品
【皮膚と栄養】669 食品由来の化粧品成分㊵ 飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸
2024.08.30
こんにちは ミキ薬局管理栄養士 畠山です
化粧品成分には、食品に含まれる成分が抽出・精製され、広汎に利用されています
数回シリーズで、それらのご紹介をします
今回は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸についてです
私達が日常的に用いる油脂を構成する脂肪酸には多くの種類がありますが、大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種です
分子構造に二重結合の無い『飽和脂肪酸』は、性質が安定しています
このため、酸素が結び付きにくく、酸化し難いのが特徴です
バターやマーガリン、ラードや牛脂、そして市販のカレールーの素やチョコレートなどを固めている、常温で固形の『脂』(動物性油脂やヤシ油、ココアバターなど)の多くは、飽和脂肪酸が高い割合で含まれています
飽和脂肪酸は摂り過ぎると血中の悪玉コレステロールを増やし動脈硬化を招くとされますが、飽和脂肪酸の豊富な脂はいずれも特有の豊かな風味があります
このため少量の使用で食事に満足感を得ることができ、食べ過ぎや油脂の使い過ぎを防ぐことも期待できます
反対に、不飽和脂肪酸の豊富な各種の植物油や魚油などは、常温で液体の『油』です
これらの不飽和脂肪酸には身体に有益な機能が多いものの、構造が不安定なため酸素などと結び付き安定性を高めようとする性質があります
このため、酸化による変質(油焼け)も生じやすいです
特に、アマニ油・魚油・クルミなどに豊富なオメガ3脂肪酸は、熱によりたちまち酸化するため、加熱調理後の料理に使用する(またはさっと炒めるなど短時間の加熱にとどめる)ことが望ましいです
そして、保存する際には暗冷所で、なるべく空気に触れないように保存します
例えば、ボトルの中で油の量が少なくなってきたら、ひと回り小さい清潔な容器に、注ぎ口ギリギリまで(容器の中の空気の体積が少ない状態で)詰替えるのも対策のひとつです
これらを適量、バランスよく摂ることで、体内から皮膚のコンディションを整えることができます
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