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旬の食べ物(41) 胡瓜(キュウリ)

2012.05.09

胡瓜(キュウリ)

 胡瓜は世界各地で食べられており、皮の色や大きさなどの違うさまざまな種類があります。

 家庭菜園などで胡瓜の栽培をするとよくわかりますが、成長が早く、時期によっては毎日収穫しないと間に合いません。

 放って置くとどんどん大きく、固くなり、実は黄色くなってゆきます。

 国や地域によって、大きな胡瓜(品種が異なる)の皮をむいて生食したり、すりおろしてスープ(ヨーグルトとの相性が良い)や、炒め物、煮物に利用することもあります。

 小指ほどの大きさで収穫して漬物(ピクルスを含む)にしたり、あんかけや味噌汁の具にしたり、その用途はとても広い野菜です(国によっては果実に分類する例も有ります)。

 

 イギリスでは現在でも、紅茶の供にスライスした胡瓜のサンドイッチが珍重されます。特に燻した香りが特徴の高級茶、ラプサンスーチョンとの取り合わせは特別な場面を演出するようです。

 これは、過去に高緯度地方のイギリスでは、胡瓜が温室を持つ階級の人のみが食べることができる貴重品であった名残りです。

 みずみずしさや歯触りが料理や菓子を食べた後の口直しとなり、繊細な高級紅茶の風味を引き立てました。このため、舶来物の砂糖や陶器のティーセット等と共に、貴族階級のステイタスの象徴となったのでした。

 

 胡瓜は味がほとんどなく、重量の90%以上が水分です。

 このため水の乏しい地域や、水の硬度が高くてそのまま飲用できない地域では、水分補給・水分の携帯に大切に用いられています。

 

 調理に際しては、塩分によって多量の水分が出まるため、味付けや食感を均一に仕上げるには、塩もみや下漬けなど下処理を工夫する例が多いようです。

 

 最後にもう一つ、想像上の妖怪の『 河童 』が胡瓜好きな理由。

 これは、水神様への供え物(好物)が胡瓜であるため、水に縁の深い河童と農耕社会で生まれた水神信仰が変化し、同化していったためとの説が有力です。

 果たして、胡瓜のサンドイッチはお口に合うのでしょうか・・・?

 

 

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