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【皮膚と栄養】120 加熱調理と消化・吸収

2022.03.18

こんにちは ミキ薬局管理栄養士 畠山です

前回のお話の中でコラーゲンが加熱により軟化し、食べ易くなることを紹介しました

もし栄養豊富な食品を摂っても、消化・吸収が不十分では体内で十分に利用出来ません

体内で利用できる栄養に不足が生じると、身体の末梢組織である皮膚・髪・爪は

脳・内臓のような生命を支える中枢の臓器に比べ、栄養供給の優先順位が低くなります

このため、栄養不足による支障はいち早く皮膚や髪や爪に現れます

そこで、私たちは加熱調理という工夫によって、食品の栄養の利用効率を高めます

 

生米・生芋に含まれる高分子の糖質であるデンプンは、加熱で分子の並びの規則性が

 崩れ(アルファ化)、消化・分解され易くなります

生食材のたん白質は、加熱によって分子の結びつきの形が変化します(熱変性)

 たん白質は20種類以上のアミノ酸分子が多様な形に立体的に結び合った構造で

 加熱が進むほど分子の立体構造が変化します(step①~③)

 step① 分子が立体からシンプルに開いた形になり、消化・分解され易くなり軟化する

      透明感を失い白っぽくなる(半熟卵やローストビーフ)

 step② 開いた分子構造が、今度は密にくっつき合い複雑な立体構造となり

      強固で分解(消化)され難い状態になる(固ゆで卵・焼き過ぎた焼肉)

 step③ (主にコラーゲン繊維の)強固な分子構造が崩れて水に溶け易くなることで

      再び軟化する(牛スジ煮込み・ビーフシチュー) 

加熱により殺菌や、菌類が増殖に利用できる水分の減少を生じ、これにより食品の

 衛生を保持され安全に栄養摂取ができるようになります

 また、安全に摂取できる期間も延長されます 

 

★例外

長芋や一部の芋類のでんぷんは、生でも消化が良い

牛乳のたん白質のカゼインは、非加熱でも消化が良い

ビタミンCやビタミンB群などは加熱によって壊れやすい

 

 

 

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