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【皮膚と栄養】292 栄養と皮膚炎⑥ ナイアシン不足
2022.11.08
こんにちは ミキ薬局管理栄養士 畠山です
栄養素の過不足は、皮膚の炎症を招く場合があります
栄養と皮膚炎③で触れたナイアシンの不足について、もうひとつの例を紹介します
ナイアシンは、ニコチン酸とニコチンアミドの総称で、ビタミンB3ともいいます
・ニコチン酸は植物性食品から摂取し、肝臓でニコチンアミド(ナイアシンアミド)に変換
され、機能します
・ニコチンアミド(ナイアシンアミド)は、畜肉や青魚、カツオやマグロから摂取します
また、動物性食品には体内でナイアシンを作るアミノ酸であるトリプトファンが豊富です

なお、トウモロコシに含まれるナイアシンは、そのままの形では吸収利用できません
このため、動物性食品の摂取が少なくトウモロコシが主食となる地域ではナイアシン欠乏が生じ易くなります(アルカリ処理でトウモロコシのナイアシン利用が可能になるトルティーヤを主食とする地域は除く)
その症状をペラグラといい、手足や顔の皮膚の紅斑や皮膚炎、消化器症状を生じます
また、紫外線を浴びると炎症が悪化します
ここまでの内容では、ペラグラを生じ易い地域は限られるのでは?と思われがちですが
・自己流の菜食主義、偏食、ダイエット等でナイアシンの代謝に関わるビタミンB2や鉄の
摂取が少ない場合
・ダイエット等によってナイアシンを含む食品全般の摂取量が少ない場合
・酒類の摂取が多く、アルコールの代謝のためにナイアシンを多く消費する場合
などのケースで、私達もナイアシン欠乏に陥るリスクが高まります
近年は、食に関する情報や入手可能な飲食物の増加により飲食の選択肢の範囲が拡大し、かえって栄養欠乏の誘因となる例も増えています
身体からの声に耳を傾け、身体が本来必要とし、欲する食品を十分に摂りたいものです
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