たべ新聞

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健康のレシピ

行事食 No.16 春のお彼岸

2012.02.09

ぼた餅

 長かった冬から、昼と夜の長さが等しくなり、陽射しの暖かさを意識できるようになる春分の日。

 この日を中日とする7日間は、春のお彼岸にあたります。

 お彼岸のお料理といえば、ぼた餅です。

 思いがけず訪れる幸運を「棚からぼた餅」といい慣わすように、

小豆や砂糖、もち米などの貴重な材料をふんだんに使用した大御馳走でした。

  春のぼた餅も、秋のお彼岸のおはぎも材料は同じです。

 秋に収穫する小豆の新豆は皮が柔らかく、皮ごと使った薫り高い「粒あん」にします。粒々を萩の花に見立てます。

 春まで保存した小豆は皮が乾燥してかたくなるため、取り除いて上品な口当たりのこしあんにします。

 皮を除いて作るこし餡は贅沢で、これをふんだんにまとう餅の豪華さや、赤みを帯びた小豆の色あいは、牡丹の花に見立てます。

 現代では豆や穀類の保存技術も進み、年中好みの方の餡が食べられることにさして疑問を感じません。また、家庭で餡から手作りすること自体も少なくなり、手軽に買い求めることも出来ます。

 あんこ一つ取っても、心遣いの繊細さが後世に伝わる良い例です。

 きっとお彼岸は、こうした伝統を伝えてくれた先人に感謝を捧げるにも良い日なのでしょうね。

 

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